動作順序  図86~87
体  
重心を左足に移しながら、体を左に回す。
足  
右足先をあげて内側に入れ着地する。
手  
左手を左に向けて、開く。掌心を外側に向ける。右手は下におろし、弧を描いて腹の前まであげてゆく。掌
心は下に、左に、内側に向ける。
目  
左手を見る。
図88~89
 重心を右足に移しながら、体を右に回す。
 左足を右足の内側に寄せる。
 右手は左胸の前まであげ、右に弧を描いて掌心を外側に向けてから、鉤手に変える。手首は肩の高さ。
左手は下におろし、弧を描いて腹の前を通り、右肩の前まであげる。掌心を内側に向ける。
 右手を見る。

動作要領
9.「単鞭」(ダンビェン)(1回日)  図86~87
重心を左足に移しながら、体を左に回すのにあわせて、左手は、肘を少し横に張り出し、掌心を外側に向け(指先は斜め上に向く)、左後方に平らにはらい出す。
はらい終った時には、体の左横で、指を上に向けた立掌にする。腕は、肘を少し下に沈めて、下向きの弧形となる。
右手は、重心が後ろに移るのにあわせて、ゆるめて少し下におろす。体が左に回るのにあわせて、肘をゆるめて曲げ、前腕部を外旋させながら指先が先行して腹前まで弧を描く。掌心は腹前で内側、斜め上を向く。
右足は、踵を軸にして足先を内側に回し入れる。
はらい終った時、左手をまっすぐ見るように、体と顔を十分に左に回す。
左股関節を折り込んで重心を左足に十分にかけ、右脚はゆるめて自然に伸ばす。

図88
右手を顔の前にあげ、続いて右肘を横に張り出す(前腕部が床面に対して約45°の角度を保つ)。
同時に、重心を右足に移し、体を右に回すのにあわせて、右腕を内旋し、掌心を外側に向けて返してゆく。
左手はゆるめて下におろし、体が右にまわるのにあわせて、肘をゆるめて曲げ、指先が先行して腹前まで弧を描く。
掌心は内側、斜め上を向く。
右股関節を折り込んで、重心を右足に十分にかけ、左脚はゆるめて自然に伸ばし、踵を持ちあげる。

注意事項  図86~87
左股関節を折り込み、臀部を後ろに突き出さないようにする。体重の移動、両手の移動、右足先を回す動きを協調一致させること。
重心を左足に移さないで体を早く回し過ぎると、上体がねじれたり、後ろに傾いたりするので注意。
右足先は90°以上内側に回し、左足は動かさない。
図87で右腋下に間隔を保つこと。
図87で、重心をできる限り左足に移し、体を十分左に回して、左手を顔の正面で見るようにすること。

図88~89
上体を浮かさないよう、右股関節を折り込み、右膝を曲げること。右膝が内側に入らないよう、左膝を閉じないよう注意。
左腋下に間隔を保つこと。
図89で、右肘はやや伸びるが、肘頭をあげないよう注意。
上体を右に十分に回して、顔は右鉤手に対してまっすぐ向ける。
鉤手を作る時、手首をこねまわしたり、掌心を上に向けて回したり、逆に指先を下に向けて回したり(=「腕花」)しないよう注意。
右掌心を右斜め45°方向に向けてしっかりと推し出した後に、手首をゆるめ、五指を集めて鉤手にする。


動作要領  図89
上体をひき続き右に回し、重心を右足に移して左足を寄せる。右手は、掌心を右斜め前方約45°の方向に推し出して、肩の高さで「鉤手」にする。
右肩を沈め、肘をわずかにさげて、手首を下方に曲げて、五指をすぼめて指先を束ねて「鉤手」を作る。肘をゆるめて、鉤頂を少し上につり上げるような意識をもたせる。
同時に、左手は腕を曲げて弧形にし、掌心を内側に向けて、右前腕部にそえる。


動作順序  図90
体  
体を左に回す。
足  
左足踵を左前方に着地させる。
手  
左手を左に向け弧を描いて払う。掌心は内側。
目  
左手を見る。

動作要領  図90
上体を左に回し、左足を上歩する動きにあわせて、左手を左前方へと移行させる。
左腕は弧形を保ち掌心を内側に向けたままで、腕を少し横に伸ばして広げるようにする。
右釣手の位置は、体が左に回るのに伴って右から左にわずかに移行する。
左足の上歩は、前方に対して横幅が約20cmになるところに踵を軽く着地させる。

注意事項  図90
上体を前傾させない。左手と左足の動きは協調一致させる。
右肩をあげないよう、右肘を縮めないよう注意。


動作順序  図91
 重心を左足に移しながら、体を左に回す。
 左足先を着地させ、右脚を蹴り伸ばし、左弓歩となる。
 左手は掌を外側に返しながら、左に向けて、払い出す。左手首を沈め、掌心を斜め右に向ける。
 左手前方を見る。

動作要領  図91
上体をさらに左に回し、重心を前方に移して順弓歩となる。
左足先は前方約15°左に開く。
右足の踵は、弓歩になるにつれて、徐々に後方に蹴り出して角度を調整する。
左手は内旋して掌心を徐々に外側に向けて返してゆき、動作が完了する時には、肘と手首をゆるめて沈め、前方に伸びやかに推し伸ばす。
左手の方向は、前方約15°左で、左足先の方向と上下で対応する。
右鉤手は、右斜め後方約15~30°に向け、少し引き伸ばすようにして、左腕とのバランスをとる。
勁力は左手の掌根と右鉤手の鉤頂に達する。
左掌と右鉤手の角度は、約120°~135°にして、前方と右後方に開くように張りをもたせる。
頭部を上に持ち上あげ、背中を伸びやかにして、上体は中正を保ち、股関節をゆるめて腰を沈め、四肢は伸びやかにして広げる。

注意事項  図91
左手は手首を「腕花」状にこねまわしたり、掌心を突然返したりするのではなく、手首をゆるめて徐々に返してゆく。
右手の鉤手で、右肩をあげないよう注意。
両肩を水平に保つこと。右釣手はわずかに右後方に引っ張り、伸ばす。
上体を進行方向に対して、真正面に向けると、左腕と胸部の角度が90°近くになり、両腕の幅度(120~135°)が小さくなり、勁力が左手に伝わりにくくなるので注意する。
左手は左足と上下一致させる。三尖対(鼻先、左手指先、左足先の一致)に注意。体は前方やや右斜め方向に向け、頭部は左手(約15°左)にまっすぐ向ける。