20.「閃通腎」(シャントンペイ)


動作順序  図159~160

  上体をおこしながら、体を少し右に回す。
 左足を右足に近づけて寄せる。
  右腕を少し曲げ、右手を上に弧を描いて肩の高さまであげる。掌心を左に向ける。左手を上にあげ、右手首の近くに寄せる。掌心を右に向け、指先を上に向ける。
目  右手を見る。

動作要領  図159
右足に重心をかけた状態で、立ちあがらないように膝をまげたまま、臀部を収めて上体を引き起こす。
右手は、肩を沈め肘をさげて、掌心を左向きにした状態で指先の方から前方に向ける。
同時に、左腕を弧形にして、掌心を右側に向けて、右手首にそえる。
胸をゆるめ、背中を伸びやかにして、頭を上に持ちあげる。

図160 ひきつづき膝を曲げた状態を保つ。上体が中正になるまで引き起こし、体を右に回すのにあわせて、両手を体の右横で顔の前まで持ちあげる。
同時に、左足を寄せて、右足に近づける。

注意事項  図159~160
上体を起こす時、背中を丸めたり、頚部(うなじ)をゆるめないで、まっすぐ上に伸ばす。右肩があがりやすいので注意。
膝を伸ばして立ちあがりやすいので、特に注意する。


動作順序  図161~162
  重心を左足に移しながら、体を少し左に回す。
  左足を前方に着地させ、右脚を蹴り伸ばし、左弓歩となる。
  右手を上に弧を描いて支えあげ、頭の右横上に達する。
掌心を斜め上に向ける。左手は前に推し、手首を沈め、掌心を前に向ける。指先は日の高さを越えない。
目  左手前方を見る。

動作要領  図161~162
体を左に回しながら左足を前方に上歩して、「順弓歩」となる。つづけて、体を左に回しながら腰、股関節をゆるめて床面と平行に重心を移動させてゆく。
順弓歩の歩幅は10~15 cmにする。右手は腕を弧形にして上にあげて、掌心を斜め上向きにして「架掌」する。
左手は前方胸前に推し出して「推掌」をする。
両手の手法と重心移動を協調させ、上体の中正を保って伸びやかに行う。

動作が完成する時、推掌の手法に引っ張られて、上体を前に倒したり臀部を突き出したりしないようにする。
順弓歩であるが、推掌の方向に対して腰を横に向け過ぎないこと。上体を中正にして、腰を沈め、背中を伸びやかに広げて、両手の手法のバランスをとり、姿勢と勁力が調和するように行う。

注意事項  図161~162
左弓歩になる動作と、左推掌(前方)と右架掌(やや後ろへ引っ張る)の動作と一致させる。
左肘を伸ばし過ぎない。右肘。右肩をあげない。
左膝頭が、足先より前に突き出ないように注意する。
頭はまっすぐ左手に向け、体は前方少し右斜め方向に向けるが、右横に向け過ぎたり、重心を左足に偏ってかけた弓歩にしない