18.「左右穿稜」(ズオヨウチュアンスオ)(1回目)
動作順序 図144
体 重心を左足に移しながら、体を少し左に回す。
足 左足踵を前方少し左に着地し、足先を外側に開いて、足裏を着地させる。右足踵をあげる。
手 両腕を自然にゆるめる。つぎに左手を左胸の前に収め、肘を少しさげ、掌心を下に向けてゆく。
右手は体の前を通り、左下に弧を描き、左手の下で掌心を上に向けてボールを抱えてゆく。
目 左手を見る。
動作要領 図144
右膝をゆるめて曲げ、体を下に沈め、右手首の座腕をゆるめながら、左足を前方少し左に踵から着地する。
つづけて、左足先を前方左斜め約60°の方向に開いて、足裏を全面着地して膝を曲げ、重心を左足に移す。
これにあわせて、右足は踵を床面から離して、膝を曲げて左膝の後ろ側に向け、両脚で「半座盤歩」の歩型になるように行うが、下勢独立においての「仆歩」から「独立歩」への移行過程としての弓歩と同様に、「穿俊」への途中動作の歩法であり、動作が停止しないように行う。
注意事項 図144~145
左足を着地した後、体を左に回して抱掌をし、軸足を安定させ、バランスよく、動きが滞らないように注意する。
動作順序 図145
体 重心を左足に移し、体を少し左に回す。
足 右足を左足の内側に寄せる。
手 抱掌にする。
目 左手を見る。
動作要領 図145
上体を左に回し、右脚を寄せる動きに協調させて、「抱掌」を行う。「抱掌」の時の要領は、野馬分髪や攬雀尾と同じ。
動作順序 図146
体 体を右に回す。
足 右足踵を前方右斜め30°に着地させる。
手 両腕を分け開き、右手を胸の前に弧を描いてあげて、掌心を内側に向ける。左手を腹の左前に弧を描いておろす。 左手は、前方右斜め30°の方向で、掌心を前方斜め下に向ける。
目 右手を見る。
動作要領 図146
上体を右に回し、「抱掌」で抱えたボールを転がすようにしながら、右手を下から上に、前方にはらい出し弧を描いて胸前まであげ、掌心を内側に、顔の方に向ける。
同時に、右踵を前方右斜め約30°の方向で「拗弓歩」の両足の横幅(20~30cm)の位置に着地させる。
同時に、左手は腹の左前におろし、指を上に向け、掌心を右足の方向に向ける。
右手をはらい出す方向は、右足の方向と同じ。
注意事項 図146
体を右に回しながら上歩する動作と、右手を右足の方向に弧を描いてはらい出す動作と、左手を腹の左前に弧を描いてひきおろす動作を、協調一致させて、同時に行う。
両足の横幅が無くなりやすいが、拗弓歩であるので十分とること。
左手は左脇腹のそばに置く。指先を横向きに倒したり、左肘を後ろに引き過ぎたりしない。
動作順序 図147~148
体 重心を右足に移しながら、体を右に回す。
足 右足先を着地させ、左脚を蹴り伸ばし、踵を蹴り出して、右弓歩となる。
手 右手は右上方に弧を描いて払いあげ、右額の斜め上に押し出す。掌心を前方に向ける。
目 左手前方を見る。
動作要領 図147~148
右手は「架掌」する。体を右に回しながら、腕を弧形にして前方、上にあげる。
掌心を徐々に返して斜め上に、外側に向け、顔の前方斜め上に推し上げて支える。
この時、肘をあげ過ぎたり外に張り過ぎないようにする。勁力は掌根と前腕部外側に達する。
左手は同時に胸前に「推掌」を行う。
両手は、腰を軸にして重心の移動と協調させる。上体を歪曲したり腰をゆがませたり、前傾したりしないように姿勢を正確に保ち、勁力を整えて動作を完成させる。
弓歩を完成するために、左踵を後方に蹴り出して、角度を調整する。
歩型は「拗弓歩」となり、横幅は約20~30cmにする。
注意事項 図147~148 穿稜の時、弓歩の角度、横幅、推掌の推し出す方向を正確に。 左手が体の左外や上に外れたり、右手が右後方に外れやすいので注意。 また、肩(特に右肩)があがりやすいので注意。 「弓歩架推」の時、左右の股関節をゆるめ、腰を水平にするように、腰を右に回しながら推し出す。 〔第1章の2。「手法」の推掌、架掌を参照。〕
18.「左右穿校」(ズオヨウチュアンスオ)(2回目)
動作順序 図149
体 重心を左足に移し、体を少し左に回す。
足 右足先をあげる。
手 両腕は自然にゆるめる。
目 左手を見る。
動作要領 図149~150
重心を左足に移して、上体を左に回して右足先をあげる。
つづいて、上体を右に回して、足先を外側に開き、前方右斜め約60°の方向に足裏を全面着地して、膝を曲げ、重心を右足に移す。左足踵をあげる。
両手は自然にゆるめて上体の動きと協調させて、図151の「抱掌」に移行してゆく。
注意事項 図149
手首をゆるめて、後方に腰から引く。上体を後ろに傾けないよう注意。
動作順序 図150
体重心を右足に移しながら、体を少し右に回す。
足 右足先を外側に開き、足裏を着地させる。左足踵をあげる。
手 右手を右胸の前に収め、肘を少しさげ、掌心を下に向けてゆく。
左手は体の前を通り、右下に弧を描き、右手の下で掌心を上に向けてボールを抱えてゆく。
目 右手を見る。
注意事項 図150~154
図144~148の右穿校の動作要領、注意事項を参照。
動作順序 図151~154
図145~148と同じ。但し、左右の動作が逆になる。
動作要領 図151~154
「左穿稜」の要領は図145~148の「右穿校」と同様で、左右を逆に行う。