糖質制限の効用

今、世の中で流行っているものに糖質制限ダイエットがあります。
簡単にいえば、我々日本人が主食と呼んでいる米やパンを食べないことで、炭水化物に含まれる糖質の摂取を制限するというものです。

 糖質を摂り過ぎると血糖値が上昇して、肥満、ひいては生活習慣病を引き起こすといわれています。そのため、炭水化物を控えて肥満になるのを防ごうというダイエット法です。

これはこれで正しいのですが、糖質制限にはもっと大きなメリットがあります。
それは、糖質制限により、歳を取らない ということです。

歳をとらない、つまり、老化しない ということは、いつまでも健康であるということであり、それは、人間にとって正しい食べ物は何か?ということでもあります。
今日はそれについて話してみたいと思います。

最初に考えるべきことは、我々のご先祖様は、何を食べていたか? ということです。
ご先祖さまと言っても、人間になる前と人間になってからでは違うかもしれないので両方を調べる必要があります。

人間は約800万年前に、チンパンジーと人間の共通の祖先であるサルから別れました。
念のため、断っておきますが共通の祖先から人間とチンパンジーに分かれたのであり、チンパンジーが人間になったわけではありません。したがって、チンパンジーが今、何を食べているかが解かれば、我々のご先祖様の食事が推測できるわけです。
驚くことに、チンパンジーのもっとも好む食事はサルであった。

ジェーン・グドール博士 という、 チンパンジーを愛する女性生物学者により、1960年にタンザニアのゴンベ国立公園で確かめられたのです。

あるとき、この公園の森を移動していたチンパンジーの群れが、アカコロブスというサルの群れに出くわしたそうです。

チンパンジーたちはアカコロブスの様子を観察し、やがて狩りが始まりました。彼らは叫び声をあげてサルに襲いかかり、サルが木から落ちてゆく。まさにカオス状態だったそうですが。公園内に設置されていたビデオカメラが、その一部始終をとらえていたそうです。

それによると、獲物が赤ちゃんザルや子ザルなどの未成熟な個体だった場合には頭を先に食べるが、おとなのサルの場合、肝臓など、内臓から先に食べていたそうです。

脳は必須脂肪酸や必須アミノ酸の宝庫であり、今でも、中国人は生きたままのサルの脳を食べる習慣がありますから、納得がいきます。

サルに限らず、トカゲやカエルなどの小動物も食べるようです。つまり、人間になる前のご先祖様の食事は、生肉だった、・・・・・ということです。

 それでは、人間になってからの食事はどうだったでしょうか?
人類が人間らしくなったのは、約200万年前にホモ属の人類が誕生し、狩りを始めてからであり、それまでの間は、小動物や魚介類といった動物性タンパク質が中心であり、また、猛獣類の食べ残しである骨髄を石で砕いて啜るという情けない食事だったようです。肉食なのに臼歯(奥歯)が発達したのは虎やライオン、ハゲタカなどの食べ残しの骨をかじっていたからだといわれています。

ご先祖様には、実に情けない過去があったようですが、その後、知能の発達とともに、弓や槍にトリカブトを塗ったり、投石器や落とし穴など、狩猟技術も発達し、マンモスなどの大型獣をもターゲットにする、立派な狩人となったのです。

ここまでの流れでは、糖とのかかわりには全く触れていませんが、それでは、人間は糖質を取らなかったのか?というと、そうではないようです。

肉食獣である熊が秋になると栗や柿の実を食べるように、人間のご先祖も秋には果実や果物を食べていたようです。果物は果糖を含み、食べたものはそのほとんどが体脂肪となり、冬を越すには欠かせないものです。果糖は体重は増えますが、血糖値は上がりません。ここが、コメ・麦との決定的な違いです。

つまり、秋にとれる果物は、動物たちが安心して冬を越せるために、神様が準備してくれた、優しいプレゼントであったと“げん”は思います。
長くなりましたので、今回はここまでにします。

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