動作順序 図114
体 体を少し右に回す。
足 左足を右足の内側に寄せる。
手 左手を右手首の上に突き出し、両手首を交差させる。
左手の掌心を斜め上に向ける。右掌心を斜め下に向ける。
目 左手を見る。
動作要領 13.「右蹬脚」(ヨウドンジャォ) 図114
上体を少し右に回しながら、左手は、掌心を上に向けたまま、右手首の上で右斜め前方に「穿掌」を行う。
左手掌背を右手首の上に重ねて交差させる。
右手は、肘をゆるめて沈めながら少し右横に張り出して、腕を弧形にする。
同時に、左足を右足のそばに寄せる。
「穿掌」は左手指先に勁力が達する。
注意事項 図114
左足を引き寄せ、踏み出す動作は、体の回転にあわせる。
左手を右手の内側で斜め上に突き出す時、上体をわずかに右にまわす。
動作順序 図115
体 体を左に回す。
足 左足踵を左斜め前方約30°に着地させる。
手 左手は掌心を外側に向け、両腕を顔の前で分け開き始める。
目 両手前方を見る。
動作要領 図115
臀部を収めて上体の中正を保ち、体を徐々に左に回しながら、前方左斜め約30°の方向に「上歩」を行う。
左踵は、左斜め約30°の方向に順弓歩を安定して行える位置(両足の横幅が10~15cm)に着地する。
両足の横幅が狭すぎたり、左足先が外側に30°以上開いて、両足が交差しないよう注意して行う。
同時に、交差した両手が顔の前で開きはじめる。
左掌を外側に返して、両腕を弧形にする。
注意事項 図115
左足を踏み出す時は、腰を左に回しながら踵を、左弓歩(左約30°)の位置に着地する。
この時、両足の横幅が無くなりやすいので注意。
動作順序 図116
体 重心を左足に移す。
足 左足先を着地させ、右脚を蹴り伸ばす。
手 両腕を左右に分け開く。両掌心を外側に向ける。
目 右手を見る。
動作要領 図116
左斜め約30°の「順弓歩」の歩型になるようにするが、この動作は高探馬から右置脚への途中動作であり、歩法を停止させないようにして、スムーズに右置脚につなげるように行うことが大切である。
両手は分掌を行う。右手の分掌の動作にあわせて、頭を回して右手を見る。
分掌の両腕の角度は約135°。右手は、前方右斜め約30°の方向に開く。
勁力は両掌根に達する。
注意事項 図116
両手を左右に分け開き、頭を回して右手を見る動作と、弓歩になる動作を一致させて行うが、定式ではないので停止しないで、次の動作に移る。
動作順序 図117
足 右足を左足の内側に寄せる。
手 両腕を下に、弧を描いておろし、腹の前で抱え込む。両手首を交差させ、掌心を内側に向ける。
右手は左手の内側。
目 体の前方を見る。
動作要領 図117 両手を下におろし、肘をゆるめて両腕で弧形を作りながら、前腕部を外旋させて腹前で抱え込む。
顔と体を弓歩の左足先の方向に向けながら、右踵を持ちあげ、右足を左足の内側に引き寄せてくる。
足先は着地しても、しなくてもよい。
両腕を腹前で抱え込む動作と、右足を引き寄せる
動作を協調させる。
注意事項 図117~118
両手を胸前で交差させて(棚勁を保つこと)から分掌をする時、わずかに上から下にと弧を描き、左右に分け開く。
両手を分けながら徐々に内旋してゆき、手首を沈めて座腕を作り、掌心を外に向ける。
まっすぐ横に開いたり、手を返すのが早過ぎて横に押さないよう注意。
動作順序 図118
足 右足の膝をあげる。右足先を自然に下に向けて垂らす。
手 両腕を上に、胸の前まであげる。両掌心を内側に向ける。右手は左手の外側に置く。
目 交差している両手首の前方を見る。
動作要領 図118
両手を胸前に持ちあげるのにあわせて、右膝を右腹前に持ちあげ、足先をゆるめて下に向ける。
肩と腋下をゆるめ、肘をさげて、胸をゆるめてわずかに含み、背中を伸びやかにする。両腕を弧形にして、少し前方に押し出すようにして11』勁をもたせる。
頭を上に持ちあげて、上体を中正に保ち、左脚で安定して重心を支える。
両腕を胸の前まであげる動作と右膝を持ちあげる動作を協調させる。
動作順序 図119
体 体を少し右に回す。
足 右足先をおこし、つぎに膝を伸ばし、斜め前方約30°に踵から蹴り出す。
手 両掌心を外に返しながら、両腕を分け開く。両手首を沈め、肩の高さにする。分け開いた右手の方向と、右足を蹴り出した方向を同じにする。
目 右手前方を見る。
動作要領 図119
分け開く動作は、肩→肘→手首の順に開いてゆく。
掌心は徐々に内旋して返してゆき、開き終った時に、肩、月寸を沈めて腕を弧形にし、手首を沈めて座腕にして両方の外側に張り出す。
両腕の角度は図116と同じ。
右脚は「分掌」と協調させて、ゆっくりと踵から蹴り出して畦脚を行う。
両掌根と右踵の3ケ所に同時に勁力が達するようにして動作を完成させる。
両手が開き終った時に、賢脚を完成させる。
右手と右足は、右斜め約30°方向に向かって上下で相対する。
右手の動きにあわせて頭を右に回し、橙脚の方向をまっすぐ見る。
完成時には、姿勢を正しく保って勁力を整える。
上体が傾いたり、腰がねじれたり、手足の勁力が不均衝にならないようにする。
注意事項 図119
橙脚を無理に高くしようとして、上体が後ろに傾かないよう注意。指導員は生徒に無理やり高く
することを強要してはいけない。
大事なことは、右膝を伸ばし、右足先を手前に引いて踵を前方に蹴り出すこと、上体をまっすぐに保ち、軸足は自然にゆるめ、背骨(腰)を伸ばし、頭を上につきあげるようにすることである。〔第1章の4。「歩法・1)壁法」の項を参照。〕
動作の完成時には少し停止するが、姿勢が止まっても勁力は止まらず、勁力が止まっても意識は止めず、意識で動作を導いて、常に動作をなめらかに連貫させるようにする(勢断勁不断、勁断意不断、連貫円滑)。