3.「白鶴亮翅」(バイフーリャンチ)
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動作順序
図18~19
  重心を左足に移しながら、体を少し左に回す。
  右足踵をあげ、つづいて右足を半歩前に寄せ、足先を着地させる。
 左手を左胸の前に収め、肘を少しさげ、掌心を下に向ける。
右手は体の前を通り、左下に弧を描いて左手の下で掌心を上に向けてボールを抱える。
目  左手を見る。

 

動作要領  図18
体を左に同じ、左手は胸の前で掌心を下に向け、右腕は肘をゆるめて曲げ、指先が腹前に向かって「抱掌」を作りかける。同時に重心を左足に移しながら、右踵を持ちあげて「跟歩」の準備をする

注意事項
動作が完成した時の「虚歩」(図21)は、右足の膝を曲げて重心を支え、右足先は斜め45°に向ける。右膝と右足先の方向をそろえる。右足先が開きすぎて、右膝が内側に入らないようにする。右足踵と臀部は床面からほぼ垂直になるようにする。
左足は、足先裏を床面に軽く着地させる。左膝は少し曲げて、足先の方向とそろえる。上体を中正にし、股関節をゆるめて臀部を収める。
「虚歩」の歩型では、重心を支える足(実)と、補助する足(虚)との、重心の虚実を明確にして区別することが大切である。実の方の足は股関節を折り込み、体重を足裏の前側、内側ではなく、後側、外側にかけるように心がけて全面着地し、重心を下に沈めてしっかりと充実させる。虚の方の足は、軽く着地させて敏捷性をもたせるようにする。

動作順序
図18に同じ
動作要領 図19
体をさらに左に回し、それにあわせて、右足を軽快に半歩寄せて足先を着地させる(眼歩)。同時に両手で「抱掌」を完成する。
右足は、足裏が見えるほど高く上げたりせず、床面にそって寄せるようにし、上体の起伏をおさえるように行う。
「跟歩」は必ず、体を左に回す動作を伴って行う。体を回さないままで足を寄せると、上体が起伏したり、突っ張った動きになるので注意する。


注意事項
図18~19
上体を前傾したり、浮かせたりしない。
上体を左に回した時に、右踵は同時にあがるのであり、着地したままにしない。
必ず体を左に回すのにあわせて、右足を引き寄せる。回さないで寄せると、立ち上がったり、前傾し
たり、突っ張った動作になる。
跟歩は左足の真後ろではなく、左足の後方で少し横に着地する。〔第1章の「歩法」の項参照〕

 

動作順序
 図20
体  
重心を右足に移しながら、体を右に回す。
足  
右足踵を着地させ、足先を約45°外側に向ける。左足踵をあげ    る。
手  
右手を右胸の前にあげ、掌心を内側に向ける。左手は右手首の内側に寄せ、掌心を外側に向ける。
目  
手を見る。

 

動作要領
図20 足先が右45°の方向に向くように踵を着地させ、重心を右足に移し、体を右に回す。足先を45°以上開くと、次の虚歩の定式の時に、右膝が内側に入り易くなるので特に注意する。
両腕は右胸前で、右手首と左掌心を向かいあわせて交差させる。両腕を外側に張り出すようにして弧形を保つ

注意事項
図20 有股関節を折り込んで、後方に引く。上体を右にまわす(体と顔は40~60°方向)。
右肩から先に引っ張って上体を傾けてしまわないよう注意。右肩、右肘をあげない。

 

動作順序
図21
体  
体を左に回す。
足  
左足先を少し前に移して、足先を着地させて左虚歩となる。
手  
両腕を分け開き、右手は右額の斜め前で、掌心を内側に向ける。左手は左腰の横前で、掌心を下に向け、指先を前方に向ける。
  前方を見る。

動作要領
図21
両腕は、上体を左に回して前方に向ける動きにあわせて、斜め上下に分け開く。右手は右外側に、前方斜め上に広げ、指先を斜め上で前方に向け、掌心を内側に向ける。
左手は左外側に、前方斜め下にはらいさげ、手首を座腕にして下を押え、指先を前方に向ける。肩を沈め、
胸をゆるめてわずかに合み、背中を伸びやかに広げる。
両腕を弧形にして、内から外に柔らかく張|サ出すようにする。
頭部を持ち上げて下顎を引き、頚部を伸びやか|こする。
眼は、前方遠くを広い視界で見るようにして平視する。
勁力は、右手の掌背と前腕部外側に、また、左手の掌根に達する。

注意事項
図21
上体を前後、左右に傾けない。収臀。
左虚歩は、足先を真っ直ぐ前に向け、足先を軽く着地させる。もしも、左足先が外側を向いたり、親指が浮いていたりしたら、臀部が右にねじれているので直すこと。左足踵を高くあげる必要はないが、左膝は突っ張らず、ゆるめて少し曲げておくこと。
右膝を内側に入れず、右大腿と右足先の方向を一致させる。
両足間の横幅(5~10cm程度)を保つこと。
両手の路線は角張らないよう注意。両腕は柔らかく張り出して棚勁を保つが、左右の間隔を空け過ぎないよう注意。
特に、両手の指先が外側を向くと、勁力が散逸してしまうので注意する。

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