1.起勢
動作順序
体=体重の移動、体の動き
足=足の動き、位置
手=腕と手の動き
目=目の方向
動作順序 図1.
体 体を自然に伸ばして立つ
足 両足をそろえる。
手 両腕を自然にさげ、両手を両大1)匙部の外側につけ、指先を自然に伸ばす。
目 前方を見る。
図2.
足 左足を肩幅に開き、足先を前に向ける。
目 前方を見る
動作要領
図1.太極拳動作を開始する時、上体は、頭部を持ち上げ、下顎をわずか|こ引き、頚部(うなじ)を伸びやかにする。
肩を沈めて、腋下を少しゆったりとさせ、胸をゆるめて背中を伸びやかにする。
下肢を自然に伸ばして真っ直ぐに立ち、膝をわずかにゆるめる。重心は、両足裏全体にかける。
全身をリラックスさせて、伸びやかに立ち、安定させる。
意識の面では、心を落ちつけて精神を集中する。
気持ちを落ちつけるとともに、ゆったりと穏やかな感じにして、余分な力を使わないようにこころがける。
表情は自然にして、眼は前方を平視する。
図2.重心を徐々に右足に移しながら、左足を踵から徐々に持ち上げる。つづいて、左足を横に開いて足先を着地し、
徐々に重心を左足に移しながら足裏の全体を着地させる。
両脚を自然に伸ばして立ち、膝、腰をわずかにゆるめるが、ことさらに膝を曲げて重心を低くしない。
注意事項
図1 並歩。両掌を大腿部の前や後ではなく、真横に置く。
図2 開立歩。体重移動は、ゆっくり行うこと。すなわち、開始動作であるから、左足を横に開くこと、
足先を着地して から徐々に体重を移すことは、図3の両手をあげてゅく動作と同じ早さで、ゆっ
くりと均一に行うこと。
脚部外側が肩幅と同じ程度にし、広くなり過ぎないよう注意。両足先を平行に前に向け、逆八字形に開か
ないこと。
動作順序
図3
手 両腕を肩と同じ高さにあげる。両掌心を下に向け、両腕の間は肩幅にする。
目 前方を見る。
図4
体 上体をまっすぐに保ちながら下に沈める。
足 両膝と両股関節を曲げ、沈める。
手 両腕を腹の前で押さえ、手首を少しFに沈める
日 前方を見る。
動作要領
図3
両腕を肩の高さにあげてゆく時、あげる動きにともなって、肩の関節を開き伸ばして、肩部をゆるめて沈め(沈肩)、
肘を少しさげ(墜肘)、手首を自然に伸ばした状態で肩の高さに上げる。
両手をあげ終わった時は、肘、手首を少しさげ沈めて、指先をややに向ける。指先は自然に伸ばす。
図3~4 肩・肘。手首の関節をゆるめてリラックスさせ、両腕を滑らかに動かす。両手を上にあげる時(図3)は、指。手首がわずかに先行して動き、指・手首で肘を引っぱりあげるようにすることで、肘・肩が浮きあがるのを防ぐ。また、両手
を下におろす時、(図4)は、逆に、肩をゆるめ、肘をわずかに先行して沈め、つづいて手首をゆるめて沈める要領で行う。指先は伸びやかさを保つ。
上肢と下肢の動きを協調させて、全身で一つの動作を同時に完成させるように行う。
動作が完成した時、膝と足先、臀部と踵が地面からほぼ垂直になるようにし、上体は中正を保っ
て、重心が両足裏の全体に均等にかかるようにする。
図4
上体を下に沈める時、両膝を曲げて足先の方向とそろえ、臀部を収めて股関節を「折り込み」、背すじを伸ばして頭頂部から臀部までを真っ直ぐにして(立身中正)座らせる。両腕を下に沈めながら、手首を少し沈めて「座腕)、両掌で下方に腹前まで押える。
両掌はただ下におろすのではなく、積極的、能動的|こ下に押える動作を表現しなければならない。
両掌で腹前まで押え終った時|こ、1主|ノ終って、上下の動作を一致させる。
勁力は掌根に達する。
注意事項
図3
両手の間の幅は、肩幅を保ってあげてゆく。こ肩。両手を上にあげるが、意識は逆に、下に沈めるように行う。
重心を足裏の前部に移動させてはならない。背中をのびやかにする。
図4
掌根を沈めて座腕にする時、手首を立て過ぎない。指先は前向き。指先が内側を向いていれば肘があがってしまう。肘を横に張らないよう注意。
上体を前や後ろに傾けない。上体が前や後ろに傾くと、臀部が突き出て、腰が緊張したり、あるいは胸や腹部が緊張して、膝に余分な負担をかけるので注意。股関節を折り込み、上体をまっすぐに保ち、足裏全体に体重をかけること。
両膝は、足先の垂直線上より前に出し過ぎないこと。
両膝を内側に入れないこと。
両掌で腹部の高さまでしっかり押さえてから図5(抱掌)に移ること。
頭をさげたり、視線を下に落さない。