老化とコラーゲンについて、

今日は、「老化とコラーゲンについて」話してみたいと思います。
文章を作る十分な時間がなかったので、とりあえず、箇条書きにしてみました。

●コラーゲンの種類と役割
コラーゲンは人の体に存在するタンパク質の一種で、皮膚や骨などあらゆる組織や臓器に分布されている。
繊維や膜のような構造体を作りながら存在し、体内のタンパク質の約30%を占めている。
(顔の筋肉は例外・・・・・2/3がコラーゲン)


●一言でコラーゲンといっても、存在する組織部位によって多くの種類がある。

構造・機能の違いから、繊維性コラーゲン、基底膜コラーゲンなどに分類される。
発見された順番にⅠ~Ⅴ型と名付けられている。

Ⅰ型:人の体に最も多く存在するコラーゲン。皮膚、腱、靭帯、角膜など多くの結合組織に存在。骨の形成に重要である。

Ⅱ型:軟骨や硝子体などに存在。関節軟骨の主要な成分である。

Ⅲ型:皮膚や血管壁などに存在。肌のダメージを回復したり血管の弾性を高めたりする。

Ⅳ型:皮膚の基底膜などに存在。細胞をつなぎ合わせたり成長を促したりする。

Ⅴ型:血管や筋肉、胎盤などに存在。Ⅰ型やⅢ型と共に含まれ結合組織を形成している。

●コラーゲンの主な働き
コラーゲンは動物特有のタンパク質で、主に皮膚や骨などの結合組織に存在している。
繊維性の強くしなやかな構造や膜状の構造を形成しながら、体の形態や機能を維持する働きを担っている。

●コラーゲンの主な効能には、「肌に潤いや弾力を与える」「丈夫な骨を形成する」「関節の動きをよくする」「丈夫な腱や筋肉をつくる」の4つがある。

●人の体内に存在するコラーゲンのうち約40%は皮膚に存在している。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3つの層で成り立っており、中でも真皮は肌組織の本体といえる部分で、その大部分がコラーゲンによって構成されている。
真皮では皮膚の形や潤い、ハリ、弾力などが整えられている。

●コラーゲンの代謝
線維性コラーゲンは、 半減期が 6 カ月といわれ、正常な状態では皮膚線維芽 細胞が少しずつコラーゲンを産生するとともに分解 し、ゆっくりと代謝している。AGEsになると代謝はしない。

さらにコラーゲンは表皮と真皮をつなぎ合わせる基底膜にも存在し、お肌をきめ細かく形成する大切な役割をもっているため、美容面においても、その効能が長年注目されている。

●コラーゲンの働き 2
丈夫な骨を形成する
体のどの部位にもコラーゲンが存在する
皮膚以外にもコラーゲンが大切な働きをしている組織で知っておきたいのが、骨や関節、筋肉といった体の動作、運動機能と関わる部分である。

コラーゲンは丈夫な骨を形成して骨折などのケガを予防したり、肘や膝の曲げ伸ばしに必要な関節の動きを滑らかにしたりする効能があるため、私たちが健康に活動し続けるためにとても重要な存在である。
コラーゲンの減少や質の低下は、骨粗しょう症の原因としても考えられている
多種類あるコラーゲンのうち人の体に最も多く存在するⅠ型コラーゲンは、骨の有機物の90%以上を占めている。
他にも、Ⅰ型コラーゲンは、腱、靭帯など多くの結合組織における主要な成分である。

これらの組織の中で、コラーゲンは各々の部位における強度や柔軟性を保つ効能がある。

●コラーゲンは骨の構造のベース(骨は日本刀のような構造)

骨というと「カルシウムでできている」とイメージがあるが、実際には「コラーゲンの繊維にカルシウムなどのミネラル分が付着している」という構造になっている。

カルシウムだけだと硬い塊になってしまうところを、コラーゲンがしなやかなクッション性を骨に与えることで外部からの衝撃を和らげ、骨が傷むのから守ってくれている。

骨の強さを測る骨密度はカルシウムなどのミネラル分がどれだけ詰まっているかを確認するものであるが、「骨密度は十分あるのに、骨折などのケガをしやすい」という方の場合、カルシウムは足りているけどコラーゲンが少ないために骨がしなやかさを失い、弱く壊れやすくなっている可能性が考えられる。

体内のコラーゲンは、減少したり年齢を重ねたりすることで質が低下、骨にカルシウムが付着しにくくなってしまうなど支障をきたすが、原因は、(筋肉が硬いことも含めて)糖化によることが多い。

●コラーゲンの減少や質の低下は、高齢者に多い骨粗しょう症の原因としても考えられている。

●最近になって、食事などで体内にとりこまれたコラーゲンは骨や関節などの細胞に作用し、新たなコラーゲンを生み出す可能性があることが明らかになってきた。

●コラーゲンは極めて分子量の大きい物質のため、そのままでは吸収されず、分解されアミノ酸となって初めて吸収される。ではどうしたら体内のコラーゲンを増やせるのかというと、その材料となる、たん白質、ビタミンC、鉄を食事等でしっかり摂ることある。

●コラーゲンを痛める糖化反応

糖化反応によって糖化最終生成物・AGEs(エイ・ジー・イーズ/advanced glycation endproducts)が生成する。AGEsとは、1つの物質の名称ではなく様々な種類の化合物の総称であるが、これが一旦できてしまうと元には戻らず、体に蓄積されていって、それがさらに悪影響を与えてしまうことになる。体内の糖化では、このような現象が起きて、健康面あるいは美容面でも様々な問題を引き起こしてしまう。

●AGEsは糖の影響だけでなく、飲酒や喫煙、脂質の過剰摂取といった様々な要因によっても生成されることがわかっている。(AGEsが老化の主たる原因である)

●動脈硬化の原因=糖化
いわゆる悪玉コレステロールであるLDL-Cは、通常なら白血球のマクロファージが食べて分解し、消してくれる。しかし、LDL-Cが糖化してAGEsが溜まった状態になるとマクロファージが食べても分解しきれずに“泡沫細胞”という状態になって血管の内壁に蓄積します。これがアテロームという粥状の塊を形成して動脈硬化を招いてしまいます。

●組織の炎症
糖化によってできてしまったAGEsは、蓄積するばかりでなく、“RAGE(レージ)”と呼ばれるAGEsの受容体と結合し、炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)を生み出す。これにより、組織は炎症を起こしやすい状態になってしまう。
※RAGEは、細胞の表面からつきだし、細胞の外から来る情報を受け止める、受容体といわれるタンパク質の一つです。いわば細胞のアンテナのような働きをしています。糖尿病などで体の中に増えてくるAGE (advanced glycation end-products, 終末糖化産物)と結合する受容体(receptor)として見つけられたため、AGEの受容体 ”receptor for AGE, (RAGE)” と名付けられた。詳細は「金沢大学大学院医薬保健学総合研究科 医学専攻 血管分子生物学 」教授のページ

https://biochem2.w3.kanazawa-u.ac.jp/research.html をご覧ください。

●この他にも、骨で糖化が起これば骨粗鬆症、脳でのAGEs蓄積がアルツハイマー病にも関与するなど、糖化ストレスは全身に影響を及ぼし、生活習慣病や老化につながっていくものと考えられてる。

●体の糖化は様々な疾患に関わっている。
糖尿病と糖化ストレスの関係 高い血糖値が糖化を促進し、末梢神経障害や腎症、網膜症といった合併症を進行させてしまう。

●血管内皮細胞を傷つける4つの原因
①酸化
②糖化
③炎症
➃ストレス

①酸化
酸化にも関連して、血管にとって重要な物質がある(NO(一酸化窒素))
NO(一酸化窒素)の働き
・血管を拡張する
・血栓を作りにくくし、血液をサラサラにする
・血管の炎症を抑える
・酸化を抑える
・血管のプラーク(コレステロールのこぶ)の発生を抑える

上記のようにNO(一酸化窒素)は抗酸化にも働くため、活性酸素が増えた時にはそれを消去するために使われてしまいます。すると血管を拡げる作用が弱くなり、血行を滞らせてしまうのです。その意味でも酸化は血管の敵だといえます。

②糖化

③炎症
血管の壁は血液にぶつかることで常に傷ついており、修復を繰り返していますが、炎症が続き傷だらけでささくれ立ってしまうと、血管はもはや傷を修復できなくなり、やがて詰まるか破れてしまうことになります。

➃ストレス
ストレスによって血圧や心拍数が上がっている時、血管は強く緊張し、過剰な収縮状態になっています。収縮した血管に高い圧力で血流がぶつかることで、傷つきやすい状態を招いてしまいます。

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