19.「海底針」(ハイデイージェン)
動作順序 図155
体 重心を左足に移しながら、体を少し左に回す。
足 右足踵をあげ、右足を半歩前に寄せ、足先を着地させる。
手 両腕を自然にゆるめて、右手を少し前に伸ばす。
目 右手を見る。
動作要領
「眼歩」~「虚歩」の歩法、歩型の基本要領は、自鶴亮翅等と同じ。
左斜め30°方向の拗弓歩から、「眼歩」を行い、次に正面向きに方向を変えて「虚歩」を完成させる。
腰を軸に上体を回しながら重心を移動させてスムーズに行う。
図155 上体を左に回し、右足を左脚の後方に半歩寄せて、足先を着地する。
これにあわせて、右手首の座腕をゆるめて、肩、肘を沈めながら、右手を前方(左斜め約30°)に伸ばし出す。
注意事項 図155
眼歩の時、体を右に開いたり、膝を開いたまま寄せない。
動作順序 図156~157
体 重心を右足に移しながら、体を右に回す。
足 右足踵を着地させ、左足踵をあげる。
手 右手を下に、右に弧を描いておろし、右脇腹に引き寄せる。つづいて、体にそって右耳のそばまで引きあげる。
掌心は内側に向く。左手は右に弧を描いて顔の前から腹の前までおろす。掌心は下向き。
目 右方向を見る。
動作要領 図156
右踵を、進行方向に向かって、足先を右斜め約45°になるように着地する。
重心を右足に移し、上体を右に回すのにあわせて、右腕を、下方に弧を描いて右脇腹のそばに引き寄せる。
掌心は左側に向ける。両腕が弧形を保つ。
注意事項 図156~157
両手を右に移動するのは、腰を右に回すことを伴って行う。
右肩を緊張させたり、右肘を後方に引き過ぎたりしない。
動作要領 図157
体をひきつづき右に回しながら、右手の肩、肘、手首の関節をゆるめて、掌を耳のそばまで引きあげる。
左手は弧を描いて腹前におろす。
体を左に回し、左手は、「楼掌」で左膝の前をはらう。
動作順序 図158
体 体を左に回しながら、上体を少し前傾する。
足 右足膝を曲げて沈める。左足先を前に少し移して、足先を着地させる。
手 右手を前方下に向けさし込む。掌心を左に向け、指先は斜め下を向ける。
左手は左に弧を描いて払い、左大腿部の外側に収める。掌心を下に向け、指先は前方に向ける。
目 前方斜め下を見る。
動作要領 図158
右手は、耳のそばから前方、斜め下方に、指先から刺し込むようにしておろす(「挿掌」)。 肩を沈め肘をさげて、腕は自然に伸ばし、掌心は左向きにし、指先を斜め下方に向ける。 勁力は指先に達する。
左手は「楼掌」して膝前をはらう。
左手が「楼掌」ではらい、右手が「挿掌」で刺し込んでゆく時、腰を左に回す動作と上体を沈めて前に少し傾ける動きと協調させる。
図158の動作が完成した時、_上体は少し前傾させた状態にするが、頭、首、背、腰、臀部の身型を中正に保って、背を丸めたり臀部を突き出さないようにする。
注意事項 図158
目は前方(約2m位先)を見る。
挿掌・楼掌の手法をはっきりさせること。〔第一章の2。「手法」の楼掌、挿掌の項を参照。〕
左足先はまっすぐ前に向ける。