準備運動3
腕がだんだん重くなる
椅子に座って、できるだけ楽な姿勢をとります。
眼を閉じで、リラックス呼吸(前回練習した呼吸法)を数回繰り返します。
右腕を肩の高さに真っ直ぐ伸ばし、掌(てのひら)を下に向けます。
掌に意識を置いて、「掌(てのひら)がだんだん重くなってくる。とても重い。・・・・・」と心の中で自己暗示を続けます。
すると、掌や腕に、まるでおもりをぶら下げたように、重くなってきます。
右手に十分重さを感じることが出来たら、左手も行います。
ここまでくると、シュルツの自律訓練法でマスターできなかった人も第一公式が楽にできるようになります。第一公式が成功すれば、第二公式も短期間でマスターできます。
ここで、他者催眠と自己催眠の違いをお話しします。他者催眠では催眠に入ると無意識状態になり、受動的になりますが、自己催眠では、催眠にかかった状態ではあっても、全て自分自身で「意識的に感じることが出来る」という違いがあります。意識的に感じることができるので意識的に中断や変更することもできるのですが、あとで説明しますが、突然の中断は悪い影響を及ぼしますので、しっかりと消去動作を行ってから中断するようにしましょう。
自己催眠に入ると、最初に全身がけだるくなり、重くなります。催眠が深くなるにつれて全身がぽかぽかと温かくなり、血圧も安定し、呼吸は深くゆっくりになります。この状態は、自分の意思で“自分の心と体”をコントロールできている証明でもあります。
実は、催眠には他者催眠と自己催眠の2種類あり、催眠状態の感じ方は全く違うのです。
ですが、催眠状態における暗示効果には差は全くありません。なので、性格改善や願望実現などの人生における質的向上を望むならば、自分の状態を意識できる点で自己催眠の方が望ましいと言えるわけです。また、費用の点でもコストダウンできるわけです。
私が提唱する、「催眠導入型自律訓練法」でも、他者に頼ることなく、出来ることなら自分自身で催眠導入できれば、それがベストなのだと確信しています。